L'EFFETTO DELLA MUCCA PAZZA
狂牛病の影響について
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナはどこへいく?!
数年来ずっと言われていた狂牛病問題。2000年末から問題は更に大きくなり、今年にはいってヨーロッパ各国で様々な検査も重ねられてきました。これまでウィルスに感染した疑いのあるウシはもちろん、その周辺で畜産されていたヤギやヒツジに至るまでかなりの数が処分されています。そして、ここに来てフィレンツェの名物でもあり、地元民の大好物でもあるビステッカ・アッラ・フィオレンティーナにもとうとう判断の時がやってきました。

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナとは牛肉を炭火で焼いて塩コショウしただけのシンプルなステーキ。大きな骨付き肉がお皿いっぱいに乗ってでてきます。いわゆる「Tボーンステーキ」の一種で、伝統的にホンモノのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナはフィレンツェ近郊の丘で育ったキアーナ牛というウシを使っていなくてはいけません。このキアーナ牛というのはいわゆる純血で、もちろんお値段も普通のウシよりはちょっと高め。このため、レストランの中には格安な他の国内産や外国産の牛肉を使っているところもあります。

狂牛病の話が重大視されるようになり、ウィルスは脊髄周辺に堆積するということが言われるようになってから、まず第一に目をつけられたのがこのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナですが、現在のところ、これが原因で死亡もしくは何らかの症状が出たという例は報告されていません。遠因として色々言われたこともありましたが、実際は確証が取れていないままです。しかもイタリア国内では5・6例の症状が疑わしいといわれているに過ぎません。しかしながら、安全面を考えれば、疑わしきものは罰するの原則に立つというのが最適な判断ということになります。

ということで、4月1日から12月31日までは基本的にビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは禁止という判決が下されました。基本的にというのは、3月31日までに仕入れを済ませている牛肉については4月1日以降も販売を認めるということになっているのと、仔牛は問題無しということ、それから骨付き肉であることに問題があり、骨を取り除いた状態で仕入れそれを調理した場合は例外とされているからです。

販売禁止となったのは12ヶ月を超える成牛の背骨やその周辺の大きな骨付きの肉。つまり、その条件に当てはまらない肉については販売は続けられ、そうしたものについては現時点では特に危険性は無しということになっています。それから、国外から輸入される30ヶ月を超える成牛肉についても、きちんと指定の場所で完全な処理(骨を取り除くために使うナイフはそれ専用に使用し、一回毎の洗浄が義務化など、かなり厳しく設定されています)が行われるように定められました。よって、イタリア国内のお肉やさんに並ぶ時点で、成牛肉はどれもすっかり骨抜きにされたものばかりということになります。

3月31日までに処理をした骨付き肉を冷凍して少しづつ販売をするという案も当初出されていましたが、それは却下。現在、上記で挙げたキアーナ牛の骨付き肉販売を例外として認めるように申請が続けられています。これが認められれば、本物のビステッカ・アッラ・フィオレンティーナだけは生き残るということになります。

イタリア国内で不満の声があがっているのは、同じヨーロッパ原産の成牛肉がストックホルムなどでは骨付きで販売されるのに、イタリアにはいってくると骨抜きになるという矛盾点についてです。確かにおかしな話ではありますが、こればっかりは政府単位での同意のもと決められたことですから、ある程度の理不尽さも仕方ないでしょうね。

イタリア旅行に行っても肉が食べられないと心配する声が日本で多くなっているようですが、全ての肉の販売が禁止になっているわけではありませんし、牛乳、チーズについても、現状は問題ありません。ただビステッカについては今のところ、「骨なしのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」になってしまいますが。


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